不自然なゾーイング・動線計画~その1

 合格基準等の採点ポイントの一番先頭にある「空間構成」の要素は①建築物の配置計画 ②ゾーイング・動線計画 ③要求室等の計画 ④建築物の立体構成からなります。このページでは②の要素「 ゾーイング・動線計画 」が不自然な図面の解説をしていきます。

施設の受付が風除室の中

 以下の図面はランク2(不合格)の図面ですが、受付が風除室の中に配置されています。
風除室の中で受付を行う施設は大型アパートメントや介護施設・病院等で見かけますが、大量の人が一気に入る可能性がある施設(今回ではスポーツ施設)では見たことがありません。
風除室の中に受付があると、大量の利用者が入館した時に風除室で人溜まりができて別の利用者の通行の妨げになることから、 採点ポイントの「動線計画」に抵触したと考えられます

事務室が管理部門からアクセスできない

 以下の図面はランク2(不合格)の図面ですが 、事務室がエントランスホールからしかアクセスできない計画となっています。今回の課題は管理部門の要求室が少ない上にスポーツ施設という用途からスタッフと利用者の明確な区分けの必要が無いように思われます。しかし、この一級建築士設計製図試験の醍醐味の一つはゾーイング分けですので、たとえスタッフと利用者の区分けの必要性が薄い用途だとしても管理部門とその他部門とのゾーイング分けは、しっかりと行ってください。

2つの階段がゾーイング分けできていない

以下の図面はランク2(不合格)の図面ですが 、2つの階段がゾーイング分けされていません。利用者は西側の風除室から入って左下の階段+EVとは別に真ん中の階段両方でも行き来できるようになっていて、どちらがメインの階段か分からなくなっています。

以下の図面はランク1(合格)の図面 ですが、各階段は利用者用と管理部門でしっかり分かれています。 ランク1(合格) の図面53枚全て添削したところ全て以下の図面のように利用者用階段と管理者用階段がのゾーイング分けがされていました。(中には管理者用階段が屋外階段として計画されていたものも数枚ありました。)先ほども申し上げましたが、この一級建築士設計製図試験の醍醐味の一つはゾーイング分けです。たとえスタッフと利用者の区分けの必要性が薄い用途だとしても管理部門とその他部門とのゾーイング分けは、しっかりと行ってください。

機械室からの搬入経路に利用者ゾーンを通過しなければならない

以下の図面はランク3(不合格)の図面 ですが、機械室からの機器の搬出入経路が利用者ゾーンを通過しなければならない計画となっています。 問題文の留意事項に「設備機器の搬出入及び更新に配慮した計画とする。」と有ることから機械室の機器を屋外に搬出入するための経路を確保しなければなりません。また機器の搬出入経路は ランク1(合格) 図面では全て機器の搬出入経路は管理部門を通過若しくは機械室から屋外向けての出入り口が設置され、道路若しくは駐車場までの搬入経路に配慮されている計画でした。これも「 ゾーイング・動線計画 」の一環と考えられます。

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