要求室特記事項の建築計画条件

要求室の特記事項について解説します。ここでは特記事項の中でも家具・備品等以外の条件で建築計画に関する条件を解説します。

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温水プール室:自然採光を十分に確保する

温水プール室の条件で「自然採光を十分に確保する」とあることから開口部を大きく確保する他にトップライトの設置が考えられます。標準解答例では2案とも温水プール室の上部にはトップライトが計画されています。このことから上記の集計表では 温水プール室の上部にトップライトが計画されていない図面を「自然採光を十分に確保されtてない」とみなして集計しました。
 集計結果をではランク1(合格)は全体の1割に対して ランク2 (不合格)では2.5割、ランク4(不合格)は全体の約4割も温水プール室の上部にトップライトが計画されていませんでした。ランクが下がる毎に割合が大きく、主文にも「パッシブデザインを積極的に取り入れた計画とする。」と有ることから温水プール室の トップライト未設置は大きな減点だったと考えられます。

多目的スポーツ室:天井高5m以上・室の長辺比1.5以下・無柱空間

「多目的スポーツ室」の特記事項として「天井5m以上」と「長辺比1.5以下」と「無柱空間」がありますが、「無柱空間」は該当者がいなかったので省略します。

多目的スポーツ室:天井高5m以上

多目的スポーツ室の計画で天井高を全く5m以上で計画しなかった図面は全ランクで1枚もありませんでしたが、断面図への表現に欠けている図面を集計表に反映しました。
以下の図面のように多目的スポーツ室を3階に設置した場合は他の要求室と天井高が大きく異なる為、最高高さが異なります。なので断面図では多目的スポーツ室の階高を他の要求室とは別に記載する必要があります。

しかし平面図では天井高5mと記載してますが、断面図で多目的スポーツ室の階高が記載されて無い図面(例:以下図)がランク1(合格)で1枚 ランク2(不合格)で1枚 ランク3 (不合格) で2枚ありました。


  上記の図面のように多目的スポーツ室の階高が断面図に記載されてない図面は、ランク1(合格)で1枚あり、他の不合格ランクでは他の大きなミスがあった為、減点度合いの大きさが分かりかねます。しかし、このような多目的スポーツ室の階高が断面図に表現されてない図面はかなりの少数派で、ほとんどの方はしっかりと多目的スポーツ室の階高を記載しているので、要求室で高い天井高を指定されている場合は平面図だけでなく、断面図にも階高をしっかり記載しましょう。

多目的スポーツ室: 室の長辺比1.5以下

多目的スポーツ室の形状は「長辺比1.5以下」で計画する条件です。通常は長方形で計画しますが、室内に「器具庫」等を計画した為に以下の図面のように実質形状がL型になってしまった計画図面を集計の対象としました。

このような形状で計画した図面はランク1(合格)でも1枚ありましたが、減点度合いは分かりかねます。全体的にも小数だった為、できれば長方形で計画した方が安全です。

エントランスホール:吹抜け(3階連続)設置

吹抜自体を全く計画していない図面は1枚もありませんでしたが、エントランスホール以外の場所に吹き抜けを計画した図面若しくは吹抜上部が廊下に面してない図面がランク2(不合格)1枚 ランク3に4枚ありました。またランク1(合格)には1枚も無かったことから、とても大きな減点要因若しくは一発不合格要因だったと考えられます。以下に不合格ランクの吹抜の計画図面を掲載します。

ランク3(不合格) コンセプトルームの上部に吹抜を計画

上記の図面は1階のコンセプトルームの上部に吹抜を計画しています。エントランスホール内に吹抜を計画しなかった場合は条件違反となります。

ランク3(不合格) 光庭の上部に吹抜を計画

上記の図面は1階の光庭の上部に吹抜を計画している為、エントランスホール内の吹抜とみなされなかったと考えられます。

ランク3(不合格) 風除室の上部に吹抜を計画

上記の図面は1階の風除室の上部に吹抜を計画している為、風除室はエントランスホールとは別の室の為エントランスホール内の吹抜とみなされなかったと考えられます。

ランク3(不合格) 吹抜が廊下の陰に隠れている

上記の図面は吹抜が1階エントランスの奥まった場所、2・3階は便所の廊下先に配置されています。吹抜が利用者の目に付きにくい場所に配置されている為、吹抜の目的である「開放感」が無いと見なされたと考えられます。

ランク2(不合格) 吹抜の半分が事務室上部

上記の図面は吹抜が半分事務室の上部に配置されています。もう半分はエントランスホール内に配置されてますが、管理部門の要求室上部に吹抜を配置したことが大きな減点になったと思われます。

ランク1(合格) 吹抜の計画

ここからは吹抜がエントランスホール内ではないが、この程度ならセーフと言える吹抜の計画を掲載します。

上記の図面は上段は「ラウンジ」、下段は「見学コーナー」上部に吹抜が見学されていますが、これらはエントランスホールの付属空間とみなされた為セーフだったと考えられます。また2階3階共に吹抜がEVホールに面している為、「開放感」がある吹抜とみなされたと考えられます。

カフェ:桜並木又公園への景観に配慮・屋外テラスとの動線に配慮

「 カフェ 」の特記事項「西側桜並木又 南側公園への景観に配慮 」と「屋外テラスへの動線に配慮」について解説します。

カフェ:桜並木又公園への景観に配慮

全体の図面を見て カフェと屋外テラスを全く西側桜並木及び南側公園に向けてない図面はありませんでした。しかしカフェは屋外テラスと共に「西側桜並木又南側公園への景観に配慮」とあることからカフェは屋外テラスが長方形となる場合は長辺方向を西側桜並木又南側公園に向けるのが望ましいです。
集計表ではカフェ及び屋外テラス の長辺方向が西側桜並木又南側公園に向けられていない図面を対象としました。結果はランク1で3枚 ランク2とランク3で各2枚ととても少数だった為、減点度合いがそれなりにあった可能性があります。以下にランク別で、カフェ及び屋外テラス の長辺方向が西側桜並木又南側公園に向けられていない図面の解説をします。

ランク2(不合格) カフェの公園に開けた開口部が狭い

上記の図面はランク2(不合格)でカフェの南側公園に面している開口部の面積が少ないことが「公園への景観に配慮されていない」と見られ、大きな減点になったと思われます。

ランク2(不合格)・ ランク1(合格) 屋外テラスの長辺が北側(駐車場)に向いている

上記の2枚の図面は2案ともカフェと屋外テラスの長辺方向が北側に向ています。上段の図面はランク2(不合格)図面で補足文等はありません。下段の図面はランク1(合格)で補足文で「眺望」と記載いて景観への配慮をアピールしています。他のランク2・3(不合格)図面でカフェ・屋外テラスの短辺方向が桜並木若しく公園に向けられた図面も同様に補足文等はありませんでした。このことから補足文の有る無しの違いが減点度合いに差が出たと考えられます。もし条件を完全に守れなかった場合は補足文でアピールすることで減点度合いが緩和されるかもしれないので補足文は積極的に記載しましょう。

カフェテラス: 屋外テラスとの動線に配慮

「カフェはテラスとの動線配慮」と有ることから、カフェと屋外テラスが廊下やEVで繋がってさえいれば階が違っても問題は無いと思われますが、添削図面のほとんどはカフェから屋外テラスへ直接行き来できる計画でした。集計結果では屋外テラスとカフェを直接行き来できない図面を対象としました。結果はカフェと屋外テラスの設置階が異なる計画図面はランク1で1枚 ランク2・3で各2枚と極少数だったことから、減点要因であったと考えられます。

屋上電気設備スペース:3階屋根に設置

 屋上電気設備スペースは要求室の特記事項にはどこに設置するかは記載されていませんが、要求図面の特記事項で「3階平面図に屋上電気設備スペースの設置位置を点線で記載」と有ることから、さりげなく3階の屋上に設置と促しています。集計結果では以下の図のように2階の屋上に設置若しくは1階の屋上に電気設備スペースを計画した図面はランク1で1枚  ランク2・3で各2枚と極少数だったことから、減点要因であったと考えられます。 このように要求室への条件が要求室の特記事項ではなく要求図面の特記事項に記載されていることもあるので要注意です。

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