令和元年度一級建築士設計製図試験「美術館の分館」要点記述問題の解説

 このページでは令和元年度一級建築士設計製図試験「美術館の分館」要点記述問題について解説していきます。
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1問目の「講演等において、多目的ホールを多くの者が利用する場合があることを踏まえて、空間構成について考慮したこと」は講演会等の時は大勢の人がやってくることから講演が始める前や休憩時に多目的ホール前に人溜まりができてしまい、他の利用者の通行の妨げになってしまいますので、多目的ホール前に適切な人溜まりスペースを確保することが望ましいです。2問目の「外部空間と屋内空間とのつながりを踏まえて、公園、カフェ及びカフェテラスの三つの関係性について考慮したこと」については間接的に公園からカフェ・カフェテラスに行き来できるようにとの条件に伺えます。作図問題文では「公園との眺望に配慮」のみ記載されてませんでしたが、要点記述にてこのような間接的条件が出てきますので、プランニングに入る前に要点記述の問題は把握しておきましょう。3問目の『分館出口前のオープンスペース』について、設計条件を踏まえて工夫したこと」は本館から分館への経路内に計画したオープンスペースで自分なりに工夫したことを記載します。4問目の「『市民アトリエ』及び『ショップ』のそれぞれの「室の設え」について、特記事項を踏まえて考慮したこと」は『市民アトリエ』は「体験学習講座等に使用」との条件から講座用スクリーンや製作物の展示棚等が考えられます。『ショップ』は「画材、小物等を販売する」との事から、陳列棚若しくはショーケースやレジカウンター等が考えられます。5問目「トップライトを設けた吹抜けを、自然換気に有効利用するために工夫したこと」はトップライトを開閉式にすること等が考えられます。6問目の「屋上庭園(出口・通路及び客土範囲)における断面の構造等計画(梁断面、スラブ位置・厚さを決定したときの考え方、バリアフリーの考え方及び防水の考え方)について考慮したこと」は作図問題の屋上庭園の③④の条件がここに繋がります。考えられる構造として下げ梁若しくはスラブを梁下に設置し、レベルを下げることで館内に雨水等の侵入を防ぎ、客土の段差を抑えることができます。また館内と屋外庭園との段差をウッドデッキ等で解消することでバリアフリーに配慮することができます。

7問目の「構造種別・架構形式・基礎形式・スパン割り等を決定するに当たり、耐震性と経済性について考慮したこと」は耐震性に優れた鉄筋コンクリート造とし、靭性に優れたラーメン架構とすることが多数の解答でした。またスパン割を均等に設置することで応力を均等にすることで経済性に配慮することが考えられます。基礎構造はべた基礎とすることでピットをメンテナンススペースとすることで経済性に配慮することが考えられます。8問目の部材断面寸法は毎年出題され、当年度の問題は「多目的ホールの構造計画」のみに対象が絞られていますが、上部にPC梁を採用していること以外はその他の諸室と同等の部材断面寸法となります。9問目の「公園の眺望(西面及び南面)や自然採光を確保しつつ、冷暖房時の負荷抑制を図るために、建築計画や設備計画において工夫したこと」は西側の開口部には垂直ルーバーを設置して日射を抑制し、南側の開口部には庇を設置することで夏季の日射を抑制する手法が考えられます。10問目の「多目的ホールの空調方式について、その方式及び冷暖房計画で考慮したこと」は天井高が高いことから単一ダクト若しくはダクト接続方式が考えられます。また大空間の中でも効率よく空調する為に天井若しくは天井付近に吹き出し口を設置して床付近に吸い込み口を設置することが考えられます。以上で要点記述の解説を終わります。要点記述は作図と同等の合否を分ける要素です。知識が無くとも、それなりに書いていれば点はもらえるはずなので、必ず全問記載するようにしましょう。また要点記述は作図問題には無い条件が出てきますのでプランニング前に出題内容を把握しておいてください。

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